2022年6月25日土曜日

№5 1/144 ディルファム その2

 【右脛欠品カバーの再生】
欠品している右脛内側のパーツを再生します。
再生方法としては、残っているパーツとの相性を考慮してプラ材からの削り出し、バキュームフォームなども検討しましたが、非常に手間がかかるのでエポパテで作ることにしました。

残っていた左脛の外側パーツと内側パーツをノギスで測定していくと、外パーツの裾が僅かに長くなっているだけでしたので、左脛の外パーツを「お湯まる」で型取りし複製して使うことにしました。




複製したパーツの裾部分を削り、右脛の元パーツと同じ形に整えます。

【胴体パーツ:腹部ハッチの形状変更】
胴体パーツで一番に気になるのは腹部ハッチの位置です。
設定画と比較すると、もう少しハッチ自体が上に位置しているようなので、胸部を削り、腰部を持ち上げます。


おおまかですが、この状態をベースにして手を加えていくことにします。
この時点で気になる部分としては、「カメラアイが小さい」、「腕が短い」、「太腿が細い」、「脛カバーの裾が広がりすぎている」といったところです。

【太腿の大型化】
太腿は力強くしたい部分です。
設定上、ディルファムは地上用。宇宙用(地上でも使える高性能機)のネオファムをベースに開発されたRVということなので、宇宙用装備を配しているのは勿論、重力下でその巨体を運用する(スラスターなどの推進機を使わずに地上を駆け回る)性能を有しているはず。
ならば強力な脚部は必須!
加えて設定画のようなエッジが利いた太腿にしたいので、元パーツをヤスリで整えた後、1㎜プラ板を囲うように貼り付けてひと回り太らせました。


【脚部の後ハメ化】
更に、のちの塗装や可動のことを考え、脛のフレームを分断し、足首パーツを受けるためのポリキャップを取り付けて、後ハメできるように加工しました。




【脛カバーの裾形状の変更】
設定画とキットを比較すると、設定画のほうは花の蕾を逆さにしたように窄んでいるので、すが、キットは可動域の確保を優先してか、脛カバーの裾が大きく開いた形状になっています。
膝部分は元のまま、脛の下部をで1.5㎜ほど幅詰めして少し楔形に削ってから接着し、少し裾が窄んだ形状に変更しました。
脛カバー前面下部も設定より平面的で、上下の幅も大きいようなので、この辺りも形状を変更します。
腹部ハッチもプラ板を貼って角を出しておきました。

右足が幅詰め後、右足が加工前

幅詰めしたものの足首が開きすぎなので

形状を設定画に寄りに変更

今回はここまで。
次回は腕の加工にはいっていきます。

№5 1/144 ディルファム その1

 ゲルフを完成後、暫く製作を中断していましたが再び再開です。

5体目の再生キットは、1/144 ディルファム(バンダイ製)です。
ディルファムは1983年から放映が始まった日本サンライズ製作のロボットアニメ「銀河漂流バイファム」の序盤で登場する地上用ラウンドバーニアン(RV)です。
当時の私は13歳で丁度登場する主人公と同年代でした。

発売されたキットは、それまでのバンダイキットとは異なり、関節にポリキャップが多用されたことで「挟み込み」ではなく「後ハメ」が出来るのが最大の利点でした。もちろん後ハメができる部分は一部のみで、現代のキットとは比較になりませんが、私の中で「後ハメ加工」という概念が誕生したのはバイファムキットの影響に他なりません。

さて、再生用のキットですが、ディルファムはバイファムシリーズ中、比較的店頭に在庫している率が高いキットだったので複数体作った記憶がありましたが、実家からは、ほぼ1体分のパーツしかサルベージできず、しかも右足の内側パーツが欠品していました。
それでも地上用ビームガンやポッドなどの部品が残っていたのは幸いでした。
ポリキャップも経年劣化でユルユルですので、この辺りは新しいものへ置き換えするなどの対策が必要です。

右脛の内側パーツ、股関節用の軸パーツは欠品



【塗装の剥離】
いつものように古い塗装の剥離作業から開始します。
いつもはMr薄め液にドボ浸けするのですが、今回はキットへの負担を少なくするため、ガソリンタンクの水抜き剤(イソプロピルアルコール)を使うことにしました。

水性カラーで塗っていた部分は落ちず・・
この後、ペーパーで物理剥離しました

1980年代のMrカラーは基本ラッカー塗料だったのですが、シンナー乱用が社会問題化され、子供にラッカー塗料を売ってくれない店も多く、乾燥が遅くて伸びが悪い水性塗料を使わざるを得ないこともありました。水抜き剤で一部剥離できなかった部分は水性塗料で塗っていた部分です。この時点で、腕パーツが別に作ったキットの残骸であったことが分かりました。

次は欠品している右脛カバーを再生し、仮組後に全体チェックです。